ゴン太さんの体験談

念のため、アセチルスピラマイシンの予防投薬をしましたが、アビディティ検査の結果「妊娠前の感染」と判明。

体験談寄稿 NO.13 ゴン太さん

2012/12/31 追加

Data

    • 妊婦健診の血液検査で、先天性トキソプラズマ感染症疑い。
    • アビディティー検査の結果、慢性感染と診断。

STORY

妊娠経過は順調、しかしトキソプラズマ抗体検査で陽性に…

待ち望んでいた第二子の妊娠が分かったのは、偶然にも、上の子の3歳のお誕生日の日でした。
第一子は逆子で帝王切開になりましたが、それ以外は順調な妊娠期間を送っていましたので、今回も全く不安もなく、つわり以外はただただ幸せな気持ちに包まれていました。

妊婦検診も、しばらくは順調でしたが、妊娠四ヶ月に入った頃、お世話になっていた産婦人科の医師から、「妊娠がわかった頃に受けていた血液検査の結果で一つ気になる数値があります」、と電話がかかって来、夫婦で出来るだけ早く来院するよう言われました。

その数値で高かったものが「トキソプラズマ」でした。
その医師はご高齢だったのですが、「私が若い頃は、トキソプラズマは胎児に影響はない、とされていた」、と昭和61年の新聞のコピーを出して来て見せてくれました。


昭和61年当時は心配無用とされていた
(現在の医学では、間違った情報であることがわかっています)

そして、以後、検査項目にトキソプラズマを入れていなかったようなのですが、最近受けられた神戸大学病院の山田教授の講義で、今の現状を知り、当時とは認識を変えなければならない、と、トキソプラズマも検査項目に入れるようになったとおっしゃっていました。
そして、必ず、すぐに受診するようにと、神戸大学病院産婦人科の紹介状を渡されました。


神戸大学病院山田教授からいただいた資料

検索してみるも情報はほとんどなく、また間違った情報ばかり…

我が家には、室内で飼っている大型犬ラブラドールがおり、購読しているラブラドール専門の雑誌に「赤ちゃんがペットと暮らす」という特集がありました。
たまたま六年前の上の子の妊娠時にその特集を読んだので、もちろんしっかりと目を通し、その時初めてトキソプラズマという言葉も知りました。

我が家には猫はいないけど、犬はどうなの?と疑問に思い、インターネットでいろいろと検索をしてみましたが、日本にはほとんど症例ものないので気にしないでよいという間違った情報が書かれていたり、トキソプラズマそのものに関する情報が今よりずっと少なかったのを覚えています。

それが、今回、第二子に、妊娠初期に感染したかもしれない…
私の赤ちゃんはどうなってしまうの?
と、不安に思いながらも、インターネットでいろいろと検索してみましたが、やはり今から二年前においても、しっかりとした情報を得られないまま大学病院へ行きました。
つわりも軽い方ではなく、上の子の幼稚園のこともあり、新幹線を利用しての大学病院への通院でした。
私の血液検査の結果では、最近トキソプラズマに感染したということしか示していなかったため、その感染が妊娠以前なのか、それとも妊娠初期なのかというのをはっきりさせる必要があったため、さらに詳しい検査をすることが求められました。

念のため、アセチルスピラマイシンの予防投薬開始

私は、不安でした。
私の大事な、お腹でもうすでにプクプクと動き始めている小さな小さな赤ちゃんが健康に生まれてきてくれるのか、とても不安でした。
教授からは母体血検査をする必要はあるが、ここで陰性となれば、それでよいということでしたが、私は、母体血検査、羊水検査、さらには臍帯血検査、私が出来ることはすべてしようと、教授が副作用はないとおっしゃっていたアセチルスピラマイシンを母体血検査の結果が分かるまで服用しました。

アビディティー検査の結果、「妊娠前の感染」と判明

母体血のアビディティー検査の結果では、私の感染は、既往慢性感染であると出ましたが、35歳という年齢、そして、赤ちゃんがちょっと小さめ、不育であったことも併せ、羊水検査もしました。

そして、羊水検査の結果も、陰性と出て、これで大丈夫なのかな、私は健康な赤ちゃんを生んであげられることが出来るのかな、とほっとし、主人に泣きながら検査結果を伝えた後、胎盤の位置の関係もあって、赤ちゃんに栄養が行きにくいと言われ、入院を勧められました。

上の子のこともあったので、大学病院ではなく地元の大きな病院を受診しながら、必要に応じて入院を考えましょうということになりましたが、妊娠8ヶ月ではマイコプラズマ肺炎に感染、9ヶ月からはやはり赤ちゃんが小さめだということでいよいよ入院生活をしながら、2182gと小さいながらも元気な赤ちゃん、かわいいかわいい女の子がこの世に誕生してくれました。
と同時に、こちらの病院にもお願いして、臍帯血検査をしていただき、トキソプラズマはいなかったという結果をいただきました。

トキソプラズマ感染はなかったものの、他の病気が判明

娘は生まれてからも、呼吸が安定せず、近くの日本赤十字病院のNICUに一ヶ月ほど入院しました。
生後二日目の夜中に、担当の小児科医より「今から娘さんをママに会いに病室に連れて行きますね。呼吸が安定しない理由がわからないから、救急車で転院します。もう救急車はこちらにむかっています。」と言われました。

今回も帝王切開だったので、痛みで起き上がれず、娘をちゃんと見送ることもできませんでした。
静まり返った病室で、夜中に娘を乗せた救急車が、去って行ったあの音は今でも忘れられません。
術後、医師から初めて娘に会いに行ってもよいという許可をもらい、母に付き添ってもらいNICUに行きました。

娘はこんな大きな病院に入院しているんだ…、生後すぐにママから離され、辛い検査をしていたのかなあ、小さい赤ちゃんがいっぱいいたから寂しくなかったかな、でもママといたかったよね、生まれる前から辛い思いをたくさんしてきたのにね…、生まれてからもいろいろごめんね…といろいろな思いがかけめぐり、NICUのドアの前で泣き崩れてしまいました。

娘は、NICUのコットの中で、大きな目をパッチリ開けて、私を迎えてくれました。
ご機嫌だったようで、私の声にすぐに反応してくれました。
私は娘の名前を呼び、大好きだよ~、みんな待ってるよ~、早く帰って来てね~、ごめんね~、とそれだけを繰り返し言い続けました。
娘は、先天性鼻腔狭窄症という、あまり症例もない病気で、赤ちゃんは、口呼吸ができないので、生後すぐ鼻呼吸しか出来ない赤ちゃんなのですが、鼻腔が狭いためうまく呼吸ができなかったようです。
後で聞くと、針の穴のように細い鼻腔だったということです。

娘の病気は、その後生後二ヶ月の時、風邪をひいて20日ほどの入院を経て、先日やっと耳鼻科が終了しました。
娘が2才2ヶ月の時のことです。
鼻腔が成長と共に広がるのを待っている状況でしたが、風邪をひくと、見ているのもかわいそうなくらいでした。
娘は、口呼吸ができるようになった5ヶ月頃からは、風邪をひいても、何とか入院しないでも大丈夫かなと思えるようになり、それをきっかけに、私も生まれる前からのいろいろな心配事から解放され、精神的に落ち着いてきたように思います。

実際にトキソプラズマに感染してしまった母子の存在を知って…

生後は、娘は主に耳鼻科にかかっていたので、そちらの方に気が行っていましたが、つい最近、インターネットでトキソプラズマ、母子感染、そして、トーチの会という言葉を目にし、実際に感染してしまった母子がいるという記事を目にしたときは、自分の感染の疑いの時のことを思い出してしまい、とてもいたたまれない気持ちになりました。
そして、その方は、母子感染がなくなるよう、ひとりでも悲しい思いをする母子がなくなりますようと、活動をされている…
私は、その方のブログから、その思いがすごく伝わってきて、何かできることがあればと思いました。

「母子感染について正しい知識を得ること」「防げることは全力でする」

今はまず、トキソプラズマの正しい認識をひとりでも多くの医療従事者、そして、妊婦さんが身につけることが先決ではないかなと思います。

我が家には、ペットの犬がいたので、トキソプラズマという言葉も知っていましたが、娘の話をするとき、経産婦さんでも知らない人が多いな~と実感しています。

妊婦さん、そして妊娠を考えている人が心がけることは、「母子感染について正しい知識を得ること」そして、幸せな出産へ向けて「防げることは全力でする」ということ、この二点につきると思います。

私は、自分以外の存在のことでこんなにいろいろと悩んだり辛い思いをしたのは、初めてでした。
私は、妊婦四ヶ月でトキソプラズマの感染の疑いがあってから、娘の顔を実際に見るまでは、結果が陰性と言われていても、心のどこかにいつも不安や心配が常にありました。

妊娠中は、それでなくとも、心配事が常にあります。
でも、自分が気を付けることで、大事な赤ちゃんを守ってあげられるのです。
ですから、すべての妊婦さんが、全力で気を付けるようにし、心配事がひとつもない、幸せな妊娠生活が送れるようになりますようにと、願わずにはいれません。
知らなかった…、知っていれば…と辛い思いをする母子がひとりでもいなくなるよう、私も微力ですが、自分の体験を通じて何か出来ればと思っています。

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