すちゃ。さんの体験談【CMV患者会員】

2歳になる前に『先天性の脳性麻痺』と判定を受け、手帳を取得しました。
7歳で新しい医師と出会い、へその緒の検査でサイトメガロウイルスと診断されました。

体験談寄稿 NO.15 すちゃ。さん

2013/02/01 追加

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Data

  • 1998年生まれ
  • 1歳で原因不明の先天性脳性麻痺と診断
  • 7歳で先天性サイトメガロウイルス感染症と診断
  • 現在は片麻痺で車椅子や補装具を使って毎日を過ごす。発声はありますが、 発語はありません。

STORY

出生時は何も問題がなかったはずなのに…

我が子は只今中学2年生です。
出生時には、何の難もなく、何の心配もなくごくごく普通の子育てをしていました。
健診の時に、「足の開きが悪いな。」と言われ毎月一度の健診に行くようになりました。
紹介された整形外科に通うようになり、それから数ヵ月後に、 「大きな病院へ行くように」…と告げられたのです。

原因不明の「先天性の脳性麻痺」と診断

1歳になる頃から、 座位を取れないことに不安を抱き始め、あれこれと様々な検査を受けました。
どれもこれもはっきりした原因はつかめぬまま、2歳になる前に、 『先天性の脳性麻痺』と判定を受け、手帳を取得しました。

新しい医師との出会いと、7年目の新事実

それから随分と時間が経ち、7歳になって、 小児科の担当医の先生が移動になり、新しい先生との出会いがありました。

その先生と2度目の検診の時にこう言われたのです。

「原因はわかってないんですね…?」
「出生時にもトラブルはなかった…?」

どうやら新しい先生の中にも、疑問があるようでした。
そして、こんな話を切り出されました。

「サイトメガロウイルスを知ってますか?」
「○○病院の先生が研究をしていて、今後のためにも、気になる子がいたら調べてみませんか?というお話があるんです。」
「カルテを見ても、原因がわかっていないようですし、 へその緒で調べられるので、一度調べてもらってみませんか?」

そして、 「もし原因がサイトメガロウイルスだとすれば、軽い症状な方なのですが。」
と、病状のお話もしていただきました。

先生によると、この病気はまだまだ知られてはいないものだということでした。
「今後、出産する方のためにも、どのタイミングで母子感染したらどんな症状が子どもに出るのかを調査したいのですが、まだまだ分からいことが多い病気です。」 と説明されました。

「もし、サイトメガロウイルスだと病名が付けば、今後提出したへその緒は大切に保管され研究材料となり、感染の予防策、予防接種などの研究の発展にも繋がっていきます。
その場合は、再度詳しい説明と強制ではないので同意書が来るかと思います。」
「確かに、原因がわかったからといって、 薬があるわけでも、治療方法があるわけではないのですが、 なんで?と思っているのであれば、受けてみませんか?」

7年間、疑いのある病気に関しては、血液、細胞、染色体などあらゆる検査は受けてきましたが、 それでも原因が何もわからなかった私たちは、 7年目に初めて知った病気について、 すぐにへその緒を送って、調べてもらうことにしました。

へその緒の検査から「先天性サイトメガロウイルス感染症」が確定

その結果、誕生から7年目に、 「先天性サイトメガロウイルス感染症」だということがわかったのです。

全く聞いたことのない病名だったので、 PCで調べてみましたが、医師が言うとおり、まだまだ情報は少なく、 我が子と合致するような症状の方もいませんでした。

また、前述のとおり先生には、我が子は軽いほうだと言われました。
しかし、重い軽いは関係なく、 その病気を、妊娠するであろう女性が知らないことに驚きました。

気がつかないうちに私がかかり、娘に感染してしまって今がある。
そのことに愕然としてしまいました。

その後、へその緒の提出先の医師からも連絡を頂き、 今も、私たちのへその緒は保管され研究に使われているそうです。
今までの研究成果を国に提出し、研究費拡大のために活動しているという報告も受けました。

研究がこうして進んでいき、一刻も早く、ワクチンなどの予防対策ができることを願うばかりです。

わが子の現在の状況

我が子は片麻痺です。
車椅子や、補装具を使って毎日を過ごしています。
発声はありますが、 発語はありません。

こちらからの言っていることは理解できるので、 意思疎通は身振り手振り、 簡単な単語などの書き起こしでコミュニケーションをとっています。

この経験を活かしたい

患者会の体験談を拝見したところ、 会員さんには、まだまだ小さなベビちゃんを抱えている方が多く、 そんなお母さんたちは皆、たくさんの不安に押しつぶされそうになっているんだと思います。

私達も娘の病気を受け止めるまでには、沢山の時間がかかりました。
また、この先にも不安がないわけではありません。
これからの進学のこと、就職のこと… それでも、目の前にいる娘が可愛くって愛おしくって、 毎日、少しでも刺激的なことを!!! と考え今まで過ごしてきました。

ですから、私たちの子育ての経験・体験談が、 病児を抱えるお母さんたちの力に少しでもなってくれれば… お母さんたちの悩める日々に、一瞬の笑顔でも、送ることができたら… そんな風に思っています。

私たち親子は、現在も日々訓練を受けながら、頑張っています。
詳しい成長記録は、ブログにありますので、 よろしければ見てみてくださいね。

♪すちゃらか♪ http://blogs.yahoo.co.jp/sucya666

成長・疾患の記録

1998/11/24 通常分娩
0歳 8ヵ月 麻痺がわかる
1歳 原因不明の先天性脳性麻痺と診断
7歳 へその緒の検査から、先天性サイトメガロウイルス感染症であることが確定
14歳 片麻痺で車椅子や補装具を使って毎日を過ごす。
発声はありますが、 発語はありません。

2013/02/01

 

妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条

11か条をかわいいイラスト付きでプリントサイズにまとめました。 トキソプラズマやサイトメガロウイルスの予防だけでなく、妊娠中の様々な感染症からの予防について書かれています。妊娠中の方も、周りに妊婦さんがいる方も、知っていただきたい内容です。

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