11/1小児神経学会主催のセミナーで講師をしました

ブログで(http://toxo-cmv.org/blog/informations/1303/) お知らせしたとおり、
11/1に日本小児神経学会主催の第44回小児神経学セミナーにて森内教授と一緒に講演をしてきました。
デジタルサイネージ
駅から遠く、バス停も山の麓で、山の上にある会場まで生憎の雨と戦いながら登ったため、息を切らしながら会場に到着したのは、開始時刻ぎりぎりとなってしまいました。
湘南国際村センター
会場
▼小児神経学セミナー
http://child-neuro-jp.org/info2/seminarsyuukai/seminar/seminar1.html

▼プログラム
小児神経学セミナー第1日目
<見落としてはいけない小児神経の病気>
国際会議場
15:30-16:40 TORCH症候群など
森内浩幸(長崎大 小児科)
渡邊智美(患者会「トーチの会」代表)
http://child-neuro-jp.org/info2/seminarsyuukai/seminar/seminar2.html#anchor
まずはじめは森内教授によるTORCH症候群の中のトキソプラズマとサイトメガロウイルスについての講義でした。
TORCH症候群とはなんぞや?という入門編から、症例、治療等の実践編までをお話になりました。
先生からの最大のメッセージはなんと言っても「この疾患を見落とすことがないように!!」というものです。
何ら特徴が認められるわけではない難聴、弱視、てんかん、脳性麻痺、発達遅滞、自閉症の子ども達の中に、TORCH症候群の患者さんは多くいるのですが、見逃されてることがほとんどであり、その子達は、きちんと診断することが出来ていたら重症化せずに済んだのかも知れないのです。
そしてその実態を認識し啓発に努めていたら、そもそも発症せずに済んだのかも知れないのです。
そういった内容を小児神経の専門家を目指す若手の先生方に、小児感染症医の立場から、訴えてくださいました。
森内先生
私からは、
「危うく見落とされそうになったケースと、完全に見落とされ医療的介入が遅れたケースから学ぶ、当事者から医療者への要望」
と題して、実際の症例2つを取り上げながら、どういった状況で、見逃しが起きてしまったのかについてお話させていただきました。
特異的な治療に結び付けられた場合と、なにもしないで症状を悪化させてから気づいた場合と、その明暗を分けたポイントを具体的に示しましたので、聞いてくださった先生方には臨床で役立ててほしいと思います。
公演中の様子
講演終了後に私はすぐに会場を後にしてしまったのですが、森内教授から以下のような嬉しいコメントを頂きました。
山道を必死で登ってきた甲斐はあったと思います。

・その後の懇親会では、本当にひっきりなしに多くの先生方が質問に来られ、
また「渡邊智美先生はもうお帰りになったのですか?お訊きしたいことがあったし、素晴らしいご講演のお礼がしたかったのですが。」と声を掛けて来てくださいました。
・自分がこれまで経験してきた患者さんの中に「見逃し例」がいっぱい居そうだという気がするし、渡邊智美先生がご紹介した方々に係わった医師と自分が同じレベルしかないことに恥ずかしい思いをしたと、率直に語る先生方も少なからず居られました。
・小児神経学会の教育委員会の先生方から、「三日間のセミナーの中でも、TORCHのお二人の発表は最も評価が高いものでした」というお声を多々いただきました。

マスメディアで多くの人達に伝える啓発とは異なり、届ける相手は数としては少ないものの、しっかり浸透するような訴えはこういう形で出来ると思います。
今後も講演等を通して啓発をしていきたいと思いますので、ぜひ、講演依頼はトーチの会までお願い致します。
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