先天性サイトメガロウイルス感染症で生まれる赤ちゃんはどのくらいいるのですか?
日本小児感染症学会の全国調査によって、平成18年から20年までの3年間に先天性サイトメガロウイルス感染症で生まれた赤ちゃんが140人いたことが明らかになりました。
調査への回答率からの推定で、実際はこの二倍くらいの患者さんがいたと思われます。
学会報告によれば、1992年から1993年に行われた調査では1年間の報告数は20~30例でしたから、患者数が増えていることがわかります。
また、平成20~22年度に成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業により、新生児の尿をろ紙で採取したものからサイトメガロウイルス検出をする検査が全国6都道県で実施されましたが、それによると、日本では300人に1人の新生児が先天性サイトメガロウイルス感染であり、1000人に一人の新生児に症状が出ている(先天性サイトメガロウイルス感染症)そうです。
全国で毎年生まれる子どもの数から推算すると、先天性サイトメガロウイルス感染児は年間3千人以上、それによって何らかの健康被害が生じている赤ちゃんが年間1000人はいることになります。
つまり、多くの症例は診断がつかないままで見逃されていることになります。
1000人に一人というのは、遺伝的疾患で最も頻度が高いダウン症候群に並ぶものであり、有名なフェニルケトン尿症の80倍に及ぶものです。
疾患名 | 頻度 |
---|---|
先天性サイトメガロウイルス感染 | 1/300 |
先天性サイトメガロウイルス感染(症候性) | 1/1,000 |
ダウン症(35歳) | 1/300 |
ダウン症(全体) | 1/1,000 |
クレチン症 | 1/3,000 |
先天性副腎過形成 | 1/15,000 |
ガラクトース血症 | 1/40,000 |
フエニルケトン尿症 | 1/80,000 |
ホモシスチン尿症 | 1/250,000 |
メープルシロップ尿症 | 1,400,000 |
監修:長崎大学 森内浩幸
妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条
11か条をかわいいイラスト付きでプリントサイズにまとめました。 トキソプラズマやサイトメガロウイルスの予防だけでなく、妊娠中の様々な感染症からの予防について書かれています。妊娠中の方も、周りに妊婦さんがいる方も、知っていただきたい内容です。\ NEW / 印刷して見える所に貼ろう! 11か条イラスト版PDF