妊娠初期のサイトメガロウイルスの抗体検査で陽性になって心配です。IgM検査をした方がいい?

【ご質問】一歳半の子がいる妊婦です。妊娠初期にサイトメガロウイルスのIgG抗体検査をしたら陽性でした。主治医は「抗体があるから感染しない。大丈夫。」と言いましたが、陽性なら初感染の可能性もあり得るのではないか、IgM値の検査をした方がいいのではないかと心配です。

悩まれるのは当然なことで、ご指摘の通り、一度目の検査が陽性(CMV-IgG陽性)であっても感染の時期などはわからないので、「今後、初感染することはない」というメッセージにしかならず、妊娠中の初感染を否定するものにはなりません

なので、「大丈夫」と言い切るのは難しいことです。しかし、日本人の妊婦の約7割はCMVには妊娠前に既に感染している(IgG陽性)であると言われており、結局は全妊婦の1%未満しか妊娠中の初感染はないと言われています。

また、IgMの検査をして陽性であっても、それが必ずしも初感染を示すものではありません。IgGの値の変化を捉えることによって感染時期が推定できる場合もありますが、これも確実とは言えません。

また、妊娠中の初感染を見つけたとしても、胎児への感染を防ぐ方法も、感染した胎児を治療する方法も確立されていませんから、出産までは注意深く赤ちゃんの様子を観察することしかできません。

とはいえ、もし妊娠中に感染リスクのある行動をしたと思い当たるのであれば、やはり初感染の可能性も考えて精密検査を受けるのもよいと思います。

もし特にリスクがあるような生活をしていなかった場合は、再検査をしなくても、今後の検診のエコーで胎児に何も起きていないか確認していくだけでも十分な気もします。仮に妊娠中に初感染したとしても、その約6割では胎児への感染が起こらないし、胎児が感染してもその約8割は無症状だからです。

それでもどうしても不安がぬぐえないのであれば、精密検査に進むべきかどうかは担当医に相談しましょう。

妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条

11か条をかわいいイラスト付きでプリントサイズにまとめました。 トキソプラズマやサイトメガロウイルスの予防だけでなく、妊娠中の様々な感染症からの予防について書かれています。妊娠中の方も、周りに妊婦さんがいる方も、知っていただきたい内容です。

妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条 イラスト

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