妊婦がCMVに初感染するとすべての胎児に障害が出るのですか?

一番かかってほしくないのは、妊婦さんです。
ここで、よくある勘違いを先に否定しておきますが、感染したすべての妊婦さんが先天性CMV感染症児を生むわけではありません。

妊娠中に初感染した場合

問題になるのは、妊娠時に初めて感染した場合です。
CMVに対する免疫を持っていないため、無防備な状態のまま胎盤を通して胎児へと感染してしまいます。胎盤感染してしまう胎児の頻度は30~50%と言われています。
しかし、感染した全ての胎児に症状が現れる訳ではなく、何らかの症状が見られる感染児(症候性感染児)は10-30%程です。
大多数の子どもは、感染していても症状は見られません(無症候性感染児)。

過去に感染したことがある場合

過去にCMVに感染していた場合は、体の中にすでに免疫ができています。
CMVに対する免疫を持っている妊婦さんがもし、再びCMV感染してしまったとしても、その免疫にかかわる抗体やキラー細胞が待ち構えていて、戦ってくれますから、CMVは胎児にまで到達できません。
つまり、その妊婦さんが妊娠する前からCMVに免疫を持っていれば、まず安心ということです。
しかし稀にですが、過去にCMVに感染して免疫を持っていたはずの妊婦さんが、何らかの理由で免疫能が低下した場合、体内でCMVが活性化し、先天性CMV感染症児を産む可能性があります。
また別の型のCMVに感染してしまった場合は、胎児に感染は起こっても発症しない、しても軽症となります。
CMVに対する抗体を持っている妊婦さんで、胎盤を通して感染してしまう胎児の頻度は0.2~2%と言われています

さて、自分がCMVに対する免疫を持っているかどうかが気になりませんか?

 

自分がCMVに対する免疫を持っているかどうかは、どうすればわかりますか?

監修:長崎大学 森内浩幸

妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条

11か条をかわいいイラスト付きでプリントサイズにまとめました。 トキソプラズマやサイトメガロウイルスの予防だけでなく、妊娠中の様々な感染症からの予防について書かれています。妊娠中の方も、周りに妊婦さんがいる方も、知っていただきたい内容です。

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