トキソプラズマ感染者増加の背景は?
日本が先進国に仲間入りしてから、人々の暮らしは変わり、すべてが清潔で、昔だったら当たり前のように感染していた病原体にも、感染しないで済むようになりました。
すると昔だったら誰もが持っていたようなトキソプラズマに対する免疫も、持っていない人の方が多くなりました。
未感染のまま妊娠可能年齢になる女性もそれだけ増え、今後も妊娠期に初感染してしまう女性が増えていくと予想されます。
生活が変化し、ペット飼育者が増えたり、ガーデニングなど土をいじる機会が増えたことも患者増加の要因と考えられます。
加えて、日本は食文化がこの10年くらいで、どんどん変わっています。
生肉をこんなに食べるようになるなんて、昔はだれも予想していなかったからこそ、 生肉の調理についてのガイドラインはしっかりしたものがなく、 そのために2011年には焼き肉店での生肉を介した病原性大腸菌による死亡事件が起きました。
トキソプラズマ症をまれな病気だよ、と決めつけたのも1985年の全国調査結果です。
あれから25年以上たち、食文化が変わり、生肉を女性がたくさん食べるようになりましたし、そこから発生するトキソプラズマ感染症のリスクもこんなに上がったというのに、 産婦人科医師でさえ、その多くがまだまれな病気だと思っているのが現実です。
監修:長崎大学 森内浩幸
妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条
11か条をかわいいイラスト付きでプリントサイズにまとめました。 トキソプラズマやサイトメガロウイルスの予防だけでなく、妊娠中の様々な感染症からの予防について書かれています。妊娠中の方も、周りに妊婦さんがいる方も、知っていただきたい内容です。\ NEW / 印刷して見える所に貼ろう! 11か条イラスト版PDF