妊婦が生肉を食べることがどうして危険なのですか?
肉には、生きたトキソプラズマが含まれていたり付着している可能性があり、それを食べたりすることで感染することが多いです。生肉では原虫は生きています。
妊婦さんは特によく加熱したもの以外は絶対に食べないでください。
トキソプラズマを含む可能性がある肉は以下の通りです。
生ハム、ローストビーフ、レアステーキ、肉のパテ(火を通していないパテ、加熱不十分なパテ)、生サラミ、生ベーコン、ユッケ、馬刺し、鳥刺し、鹿刺し、エゾシカのレアステーキ、鯨刺し、ヤギ刺し、加熱が不十分なジビエ(野生の鳥獣)料理、等
低温や乾燥にもトキソプラズマは強いので、中心部が-12度になるまで冷凍庫で数日間冷凍するか、中心部が67度になるまで加熱しないと安全ではありません。
- 確実に中心部まで冷凍することも感染予防になりますが、家庭用冷蔵庫で中心部が-12度まで冷凍できるかどうかは各機種にもよると思いますので不確実です。 外食先ではそういった確実な冷凍が保証されないのでやはり、生は避けるのが望ましいです。
- 感染を予防するには、生肉を食べないことはもちろんですが、加熱不十分な肉でも感染するリスクがありますので、肉は中心部の赤みがなくなるまでしっかり火を通してください。
- トキソプラズマがついた包丁で野菜を切って生のまま食べたりしないためにも、 包丁やまな板などの調理器具は生肉用と野菜用に分けて使い、こまめに洗浄し、清潔に保つよう心がけてください。
- また洗浄に使用する水についても、ろ過あるいは蒸留処理された(塩素処理だけではダメです)水道水以外の、川の水や井戸水などの生水はトキソプラズマに汚染されている可能性がありますから、よく注意をしてください。
生水を何も処理しないまま飲むことは、妊婦は絶対に避けてください。 - 初感染したばかりの家畜の乳にもトキソプラズマが含まれていることもあります。
ただし、母乳中のトキソプラズマはタキゾイトという形をとっており、これは胃酸に弱いので、 基本的には経口感染はせず、また、そういった感染の報告もありません。
しかし他の細菌等(リステリアなど)の感染・食中毒の危険性もありますので、 妊婦は、絞ったままの殺菌されていないミルクなどを飲むことは避けてください。
また殺菌されていないミルクで作られた乳製品(ソフトチーズなど)も避けてください。
とにかくトキソプラズマが含まれたり付着したりする可能性があるものを口に入れたり触れたりすることに注意をしてください。
ガーデニング等土からの感染の予防方法は
「妊婦が土いじりをすることがどうして危険なのですか?」
ネコからの感染を予防する方法は
「妊婦はネコを飼ってはいけないのですか? 」を、ご覧ください。
監修:長崎大学 森内浩幸
妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条
11か条をかわいいイラスト付きでプリントサイズにまとめました。 トキソプラズマやサイトメガロウイルスの予防だけでなく、妊娠中の様々な感染症からの予防について書かれています。妊娠中の方も、周りに妊婦さんがいる方も、知っていただきたい内容です。\ NEW / 印刷して見える所に貼ろう! 11か条イラスト版PDF