トキソプラズマに感染するとどんな症状が出ますか?
健康な人の場合
正常な免疫の機能を持っていれば、感染してもほとんどの場合症状はありません。
一割くらいの人で、風邪のような症状やリンパ節の腫れを感じることがありますが、気づかないことが多いです。
免疫機能が低下した人の場合
生まれつき免疫機能の弱い人、HIVに感染した人、がんや自己免疫疾患の治療又は臓器移植の後で免疫力を低下させる薬剤(抗がん剤、ステロイド剤、免疫抑制剤)を使用中の人などは、トキソプラズマによる日和見感染を起こす場合があります。日和見感染は、新たに感染した時だけではなく、以前に感染して体内で潜伏していたトキソプラズマが再活性化することで発生することもあります。
日和見感染としては、脳炎(麻痺、意識障害、痙攣など起こす)が最も重要で、その他脈絡網膜炎(視力障害)、肺炎(呼吸困難)、心筋炎、肝炎なども起こし、治療に反応しなければ重い障害を残したり死に至ったりすることもあります。
胎児の場合
妊婦がトキソプラズマに感染すると、胎盤を通して胎児にもトキソプラズマが感染することがあります。これにより、流産や死産を引き起こす可能性があるだけでなく、発育中の胎児が感染すると先天性トキソプラズマ症を起こすことがあり、未発達の脳や感覚器官(目や耳)、内臓に影響を与えることがあります。より詳しい内容は以下の質問ページをご覧下さい。
監修 長崎大学 森内浩幸
協力 旭川医科大学 伴戸 寛徳
妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条
11か条をかわいいイラスト付きでプリントサイズにまとめました。 トキソプラズマやサイトメガロウイルスの予防だけでなく、妊娠中の様々な感染症からの予防について書かれています。妊娠中の方も、周りに妊婦さんがいる方も、知っていただきたい内容です。\ NEW / 印刷して見える所に貼ろう! 11か条イラスト版PDF