どのような人がトキソプラズマに感染に注意しなければいけないのですか?
どのような人がトキソプラズマ感染に注意しなければいけないのですか?
正常な免疫能を持つ人にとってはほとんど問題にはなりませんが、「胎児」や「免疫機能が低下した人」が感染すると健康を害する恐れがあります。
胎児
妊婦がトキソプラズマに感染すると、胎盤を通して妊婦から「胎児」にもトキソプラズマが感染する場合があります。
発育途中の胎児が感染すると、まだ完成していない脳や感覚器(耳、目)、さまざまな内臓に悪影響が及ぶ可能性があります。
→ Q 胎児がトキソプラズマに感染するとどんな症状が出ますか?
免疫機能が低下した人
生まれつき免疫機能の弱い人、HIVに感染した人、がんや自己免疫疾患の治療又は臓器移植の後で免疫力を低下させる薬剤(抗がん剤、ステロイド剤、免疫抑制剤)を使用中の人などは、日和見感染を起こす場合があります。日和見感染は、初感染だけではなく、以前に感染して体内に潜伏しているトキソプラズマが再活性化することによっても起こります。
トキソプラズマによる日和見感染では、脳炎による脳の障害がおき、全身に感染が広がれば、発疹、発熱、悪寒、呼吸困難、疲労感、肺炎、心筋炎、肝炎などのほか、重症例では臓器不全となり、治療しなければ死に至ることもあります。
ただしHIV感染者は、抗HIV薬投与によりHIVの活動を抑えることで免疫力が回復し、トキソプラズマによる症状を抑えることが期待できます。
監修:長崎大学 森内浩幸
妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条
11か条をかわいいイラスト付きでプリントサイズにまとめました。 トキソプラズマやサイトメガロウイルスの予防だけでなく、妊娠中の様々な感染症からの予防について書かれています。妊娠中の方も、周りに妊婦さんがいる方も、知っていただきたい内容です。\ NEW / 印刷して見える所に貼ろう! 11か条イラスト版PDF