母親がサイトメガロウイルス(CMV)に感染している場合、母乳を与えてはいけないのですか?与えたい場合は冷凍母乳にしなくてはならないのでしょうか?

授乳イメージ日本人の母親の約7割はサイトメガロウイルス(CMV)に感染しています。生まれた後で母乳から感染することは、健康に生まれた赤ちゃんにとってごく自然なことです。今なおワクチンが開発されていない現状では、むしろこうやって小さい時に感染している方が、大人になるまで感染しないで妊娠中に感染してしまうよりもずっといいと思います。
先天性CMV感染症の赤ちゃんに対しても、凍結母乳を選択する必要はないですし、ましてや断乳する必要はありません。すでに感染している赤ちゃんの体内には大量のウイルスがいます。そこに母乳中のウイルス(体内のウイルス量に比べると微々たるものです)が少々加わったからと言って、大勢に影響はありません。それよりも、母乳の持つ利点を赤ちゃんに授けることの方が大切です。

判断が難しいのは、未熟児の赤ちゃんの場合です。健康な赤ちゃんとは異なり、この子達が母乳や輸血を介してCMVに感染すると、時に敗血症にも似た重篤な病気に罹ってしまうことがあります。その一方で母乳栄養にはたくさんのメリットがあり、未熟児であればあるほどその恩恵は重要になります。搾乳した母乳を一度凍結させることによって、若干は感染の確率が減るようですが、繰り返し授乳するうちに感染する可能性があります。母乳のメリットとデメリットをお一人お一人の未熟児に対して担当医の先生が考えて、どのような栄養法がいいのか選んで行くことになると思います。

注:母乳を凍結融解する過程で、ウイルス粒子が壊れて感染性が減少することが一部のウイルスで証明されています。たとえば、成人T 細胞白血病の原因となるHTLV-1 (ヒトT細胞向性ウイルス-1型)では、キャリアの母親が搾乳し凍結融解した母乳を赤ちゃんに飲ませることが感染予防策の一つとして推奨されています。しかしCMVに関しては、凍結母乳を用いても母子感染が起こることが報告されております。

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監修:長崎大学 森内浩幸

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