トーチの会は9月23日で結成10周年となりました!
いつも、トーチの会の活動にご理解ご協力ありがとうございます。
おかげさまでトーチの会は本日で結成10周年を迎えました。
トーチの会の結成日に集まってくださった会員の皆様には、10年前の三井記念病院での総会が懐かしく思い出されるのではないでしょうか。あの日は、NHKでニュースとして取り上げていただきましたね。
その日の様子はNHKブログをご覧ください。
https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/200/132144.html
あの日から、トーチの会では、私たち当事者のようなつらい思いをする母子を増やさないために、また、全国で情報が乏しい中、孤独に戦っている当事者同士をつないでサポートすべく、啓発やピアサポートを中心に活動してまいりました。
小説や、絵本を出版し、様々な年齢層に知ってもらえるよう努力してきました。
手探りの活動でしたが、議員会館にも何度も足を運んで議員や厚労省の担当の役人に陳情もしたり、埼玉県知事にも直接お会いしてお願いさせていただいたこともありました。
歴代の母子感染症研究班にも協力いただき、最新の情報を発信し、世間に問題を訴え、そういった小さな活動の積み重ねも後押しする要因の一つとなり、10年間で色々と変化したことがあります。
妊婦に使用するトキソプラズマの治療薬が2018年に保険適用となり、新生児の尿を使用してサイトメガロウイルスの確定診断をする検査も2018年に保険適用となりました。
先天性トキソプラズマ症と先天性サイトメガロウイルス感染症が小児慢性特定疾病に2017年に入りました。
https://www.shouman.jp/pdf/contents/disease_list_w_kokuji_290510.pdf
また、今年度中には新生児に使用する先天性サイトメガロウイルス感染症の治療薬も保険適用になりそうです。
一方で、まだ先天性トキソプラズマ症の治療薬は国産のものはなく、海外から取り寄せるしかありません。
聴覚スクリーニングに引っかかった難聴疑いの赤ちゃんに対し、先天性サイロメガロウイルス感染症も一緒にすぐに疑って尿検査を行うという流れも、いまだ浸透しておらず、確定診断が遅れたり、治療ができなかったりという問題もあります。
また、一般の妊婦や、妊娠を望む人たちへの周知も不十分なままです。
妊娠してからも何も指導がなく、無知なまま生活をした結果、妊娠中の感染を疑われるケースも少なくありません。妊娠を望んで不妊外来に通院している人にも、妊娠後の感染の注意や指導をしている医療施設はほとんどないままです。
妊娠を意識していない人や、周囲に妊婦がいない人たちにいたっては、まったく知らないといっても過言ではないでしょう。
でも、いつ自分が妊婦とかかわることになるかなんてわからないし、これから生まれてくる命を守ることは、だれにも無関係ではありません。
妊婦だけが知っていても、予防することは難しくみんなで知って、社会全体で、赤ちゃんを守っていかなくてはならないのです。
そんなわけで、10年たった今の日本でも、まだまだ啓発を続けなくてはいけない状況です。
少しでも、わかりやすい情報を多くの人に届ける努力をしなくてはいけないと、改めて強く思いました。
そのために、手始めに妊娠中の感染予防11か条の解説ページをリニューアルしました。
今の時代に合わせて、感覚的に理解できるようにイラストを多くし、中学生でもわかるような言葉選びを意識しました。
今後は、このページをもとにした妊娠中の感染予防パンフレットなども作成していく予定です。
次の10年後には、だれもが母子感染症の予防法を当たり前に知っているようにしていきたいものです。そして、患者会自体がなくてもいい社会になってほしいのです。
この活動がつけていけるように、今後とも、トーチの会の活動に参加、応援をよろしくお願いいたします。
2022年9月23日 トーチの会代表 渡邊智美
妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条
11か条をかわいいイラスト付きでプリントサイズにまとめました。 トキソプラズマやサイトメガロウイルスの予防だけでなく、妊娠中の様々な感染症からの予防について書かれています。妊娠中の方も、周りに妊婦さんがいる方も、知っていただきたい内容です。\ NEW / 印刷して見える所に貼ろう! 11か条イラスト版PDF