翻訳家ナカイサヤカさまより-10周年に寄せて

トーチの会10周年おめでとうございます。

私が母子感染に興味を持ったのは、夫の転勤先だった宮崎県で、次女を妊娠出産して、その時に成人T細胞白血病について知ったのがきっかけだったように思います。
九州に多いこの病気は母乳を介して子どもにウイルスが感染するので、正確にはトーチ症候群とは違いますが、親が気をつければ防げるが、知らなければ辛い結果になると言う点では同じです。

そんなわけで、子育て終了後に開いていた母乳と離乳食のイベントで、トーチの会の会員の方から「ナカイさんこの本を訳して出版してください」と一冊の本を渡された時には、一介の翻訳者に出来ることは限られていると思いながら、なんとかしようと心が決まっていました。

たまたまタイミング良く、小さな出版社を立ち上げる計画が動き始めていた時で、「エリザベスと奇跡の犬ライリー」はサウザンブックス社が最初に出版する本の1冊となりました。

ここでも偶然が重なり、サイトメガロウイルス母子感染児で、この病気の子どもたちの中でも特に重い障害を持って生まれてきたエリザベスは、私の長女と同じ年の生まれ。
小頭症でてんかん発作もあったエリザベスの17年の生涯と、後に高機能の発達障害だとわかった長女の人生が重なって、エリザベスと犬のライリーは私の心の中に住み着くこととなりました。

エリザベスの話を絵本にしようという企画で文を担当させていただくことになったときには、「生きているのが好き」というエリザベスの純粋さと「エリザベスが好き」というライリーのひたむきさを伝えて、最後に二人が夢見て叶わなかったことを叶えるファンタジーとして物語を書きました。

エリザベスの母親で原著の著者のリサは、キリスト教の信仰と周囲の人たちの善意を支えに困難な子育てをやりとげて、さらに啓発活動を続けています。

エリザベスとライリーがより多くの人の心中を駆け回って、トーチ症候群に対する認識が広がっていきますように、私もまた頑張りたいと思います。

 

ナカイサヤカ
1959年9月生まれ。通訳・翻訳家。英語講師。訳書はこちら

著・ナカイサヤカの本

プロフィール詳細はこちら
https://www.huffingtonpost.jp/author/sayaka-nakai

https://note.com/sayakatake/

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ナカイサヤカさんとは、こちらから強引に縁を結びに行った形での出会いでした。

トーチの会を結成した頃、母子感染小研究班の井上直樹先生から、アメリカのサイトメガロウイルスに特化した学会や、そこで患者会の方々が積極的に医師や研究者らに向けて発表し、本まで出していると言う話を聞いたのです。
井上先生はその、サイトメガロウイルスの患者会の方が出したサイン入り
手記「anything but a dog!」を私にくださったのですが、
ぜひこれを日本でも出せたら良いなと思いながらもどうしたら良いか分からず、出版社にもちかけてみても自費出版をすすめられるばかりで、資金のない私にはどうすることもできませんでした。

本をもらって数年経過してから「翻訳家の方がひらくトークイベントに参加する」という会員の話を聞き、その会員に「行くならぜひこの本を持って行って、翻訳出版できないか相談してみて!」という無茶振りをしたのですが、
なんと、その体当たり作戦が成功してしまったのです。

ナカイさんがその本や、その本を出版する意義に興味を持ってくださり、それを翻訳出版専門の出版社につないでくださって、クラウドファンディングを利用しつつ小説「エリザベスと奇跡の犬ライリー」として、出版にこぎ着けたのです。

↓小説ができるまでの道のり(試し読みもできます)
https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/1613/activities

↓新聞に取り上げてもらいました
https://toxo-cmv.org/blog/informations/2442-2/

↓出版記念パーティーの様子
https://toxo-cmv.org/blog/informations/2673-2/

原作者のリサさんともナカイさんはたくさんやりとりをして、当事者家族の話を聞きながら、ただ翻訳するだけではなく、リサさんの気持ちまで行間に表現してくださいました。
その後、小説「エリザベスと奇跡の犬ライリー」は、昨年末、絵本「もふもふライリーとちいさいエリザベス」としてさらに世界を広げました。
絵本の文章は、翻訳ではなく完全にナカイさんのオリジナルですが、
リサさんの話を直に聞いたナカイさんだからこそ書ける、エリザベスを思った優しい素敵な文章でした。

↓絵本ができるまでの道のり
https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/4477/activities

ナカイさんがいなくては、「エリザベスと奇跡の犬ライリー」も、昨年出版した絵本「もふもふライリーとちいさいエリザベス」も生まれませんでした。

↓購入したい方は以下からどうぞ。
小説
http://thousandsofbooks.jp/project/anything/
絵本
http://thousandsofbooks.jp/project/elizabeth/

これらのナカイさんとつくった本をきっかけに、何も知らなかった方々が母子感染症に興味を持ち、正しく知ろうとしてくれることを願います。

昨年からこの絵本を、母子感染予防啓発に協力してくださる医療、教育、福祉などの施設、団体に対して、無償で寄付しております。
ご興味ある方はぜひ、ホームページからお申し込みください。
https://toxo-cmv.org/ehonform/

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2022年9月23日はトーチの会の発足10周年記念日でした。
10年間活動を続けてこれたことを記念して、当会の関係者や関係団体からトーチの会へメッセージを寄せていただきました。

その方・団体の紹介を交えて、メッセージをご紹介させていただいています。(掲載順序は不同です)

トキソプラズマ&サイトメガロウイルスの母子感染防止啓発シェアお願いします!

妊娠中の感染予防のための注意事項-11か条

「妊婦さんへ」ページ記載の『注意すべき11か条』をプリントサイズにまとめました。 トキソプラズマやサイトメガロウイルスの予防だけでなく、妊娠中の様々な感染症からの予防について書かれています。

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