新生児聴覚スクリーニング、リファー(要再検)は原因追求を【先天性CMV感染の早期発見・早期治療】


この記事にある通り、これまで任意で実施率が低かった新生児聴覚スクリーニングが、広まってきているのは、とても喜ばしいことです。
難聴が早く見つかれば、早期に療育などの介入を行え、発達を促すことができます。
また、その難聴の原因次第では、早く治療を始めることも可能だからです。

引用元:新生児聴覚検査 公費で…大阪市など、助成制度の導入自治体増える(読売新聞(ヨミドクター) 5/18(土) )

赤ちゃんの聴覚検査を促すため、費用を助成する自治体が増えている。制度のある市区町村は2015年度まで1割に満たなかったが、今年に入り東京都や大阪市、福岡市が導入するなど、ここ3年ほどで急増し、今年度中に4割以上に達する見通しだ。専門家は「全自治体が助成制度の早期導入を」と訴えている。

しかし…現実は、ただスクリーニングするだけ、という施設も少なくありません。

リファー(要再検)になっても、ただ経過観察として、放っておいてしまうことが多いのです。
その結果、乳幼児健診で、発語の遅さなどから難聴が発覚するケースもあります。

もっと早くわかっていれば、介入して発達促進ができたかもしれないのに。
もっと早くわかっていれば、原因が感染症など治療が可能なものであれば、進行を抑えられたかもしれないのに。

ですから、リファー(要再検)になったら、その原因を追求してください

ただ羊水が耳に残っているだけかもしれませんが、そうじゃない可能性も十分あるのです。それを意識して欲しいのです。

何らかの先天感染が原因かもしれません。
風疹が流行している今なら、先天性風疹症候群もありえます。
また、風疹よりずっと多い、先天性サイトメガロウイルス感染症もありえます。もし、そうだったら、先天性サイトメガロウイルス感染症は、生後3週間以内の検体を使わないと確定診断ができません。
治療も1ヶ月までに始める必要があります。
経過観察で見過ごされた児は、治療のタイミングを逃し、症状を悪化させるかもしれないのです。

どうか、ただ検査をすれば良い、という姿勢はやめてください。

 

こういったお話も今週の第14回日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会【2019年5月23日・24日】でトーチの会代表と、CMV患者会員がシンポジウムで「医療者や教育者に対する要望」をお話させていただきます。

第14回日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会@福岡国際会議場

ぜひ、聞きにきてください。
同時に患者会ブースも出しますので、ぜひお立ち寄りください。

第14回 日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
シンポジウム3 〔5月23日(木曜日)〕
先天性サイトメガロウイルス感染症
司会:森内 浩幸(長崎大学 小児科)、守本 倫子(国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科)
演者:藤 千恵、渡邊 智美(先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症患者会「トーチの会」)
「医療者や教育者に対する要望」

森内 浩幸(長崎大学 小児科)
「先天性サイトメガロウイルス感染症診療の進歩」

守本 倫子(国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科)
「先天性サイトメガロウイルス非症候性難聴の管理・療育と問題点」

高橋 長久(心身障害児総合医療療育センター 小児科)
「当センター外来でフォローしている先天性サイトメガロウイルス感染症による 重度運動障害・全身的障害を持つ患者さんの経過について」